トリノの聖骸布:ロシア正教会が100%本物との見解

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 トリノの聖骸布; 2011/12/25海外報道「The Voice of Russia

 「キリスト教の聖遺物の1つで、イエス・キリストが磔にされて死んだ後、その遺骸を包んだと言い伝えられている布、トリノの聖骸布が本物なのか偽物なのか、この問いは、何世紀にも渡って宗教界及び科学界の関心を引いてきた。

この2千年間謎であったものの1つが、どうやら解明されたようだ。イタリアの学者達は、長年の研究の末、意外とも言える結論に達した。世界のキリスト教徒すべての崇拝を集める聖骸布が正真正銘の本物だというのだ。

世界中でトリノの聖骸布として知られる聖遺物の本体は、縦4.36m、横1.1mの杉綾織の亜麻布で、現在、トリノの聖ヨハネ大聖堂に保管されている。 この布について何世紀もの間、様々に言われてきたが、バチカンは現在に至るまで、その真偽に関し公式的な答えを出していない。しかしこの事は、布がキリスト教の重要な聖遺物の1つとして崇められる妨げとはなっていない。

 芸術学者でバチカン調査委員会のメンバーでもあるエカテリーナ・スィニツィナ=サントニイさんは、VORのインタビューに答え、次のように述べた―

  「聖骸布に関する今回の研究は、ほぼ5年に渡り続けられ、学者達は、一連の複雑な鑑定がなされ、それにより布がほぼ100%本物である事が証明された。 布の年代測定が行われ、キリスト誕生後一世紀のものであると特定された。 素材は麻、中世のものでない事が証明された。我々は、色素顔料が全くないことを証明した。つまり、布は人の業とは思えないものなのだ。 明らかになった部分すべては、本質的なものだ。聖書では、キリストはこの衣に40時間包まれていたと書かれている。 今回の調査では、実際にこの布の中に40時間遺骸があった事が、証明された。 ゆえに95%、この布は本物だと言える。」

  聖骸布は又、学者達に、キリストが受けた磔刑がいかに残酷なものであったかを物語った。キリストは磔まで、鞭打ちの刑を受けた事が福音書に記されている。 使徒達によれば、死ぬ少し前まで、キリストの頭には棘の冠も被せられていた。長い間人々は、磔はキリストを辱めるための手段だったと考えてきたが、今回の調査で分かったのは、それは一種の拷問であったという事実だった。冠のトゲが頭に刺さり、著しい出血があり、血は髪の毛や顔に流れ出て滴り落ち、その痕が模様のように布に残っている。

 ロシア正教会でも、トリノの聖骸布は極めて重要な聖遺物の1つと見做されているが、今回の調査について、ロシア正教会宗務院協力部及び聖職者教会のスポークスマンを務めるゲオルギイ・ロシチン氏は、次のように話してくれた―

  「信仰というのは、心の中から発するものだ。外的要因は、信仰の基盤を確認するに過ぎない。信者達は、証拠など必要としていない。今回の調査結果は、信者で無い人々にこの世界すべては創造主が創り上げたのだという事を考えてもらう良い機会になった。 聖遺物が本物だという確認が必要なのは、懐疑論者だけだ。」  

 イタリアの学者達は、調査の継続を決めたが、バチカンは、今回の学術的結論は完全に納得のいくものだと見做し、彼らはおそらく近く公式にそれを発表するものと思われる。 カトリック教会の代表者達は,今回の調査結果により、ますます信仰の規律が強まり、世界でキリスト教徒が増えるものと確信している。」